ダイイングメッセージ

十数年前からずっと、ダイイングメッセージ物が嫌いだと言い続けてきた。理由は簡単で、死ぬ直前にそんな複雑なことを考えられるはずがないってことだ。まぁ、それを実践するために、一度だけダイイングメッセージ物を書いたことがあるけど。
さて、こんなことを書いているのは、NHKの「探偵Xからの挑戦状」を見たからで、直木賞作家であっても、こうすることしかできないのかというのが率直な感想。知ってる人だけ知っているで解けるのは、まぁ、いいかもしれないけど、それを犯人当てに使うのはダメだと思う。今回のは失敗作ですよ、犯人当てとしては。
それはさておき、高校の時に歴史の授業で「闘茶」というものを知った。闘茶とは言うまでもなく、お茶当てなんだけど、当時の僕は、様々な邪魔を排除し、お茶っ葉を摘み、敵を倒してお湯を手に入れる。そして最後は大ボスに勝つことにより急須が得られる。そんなものだと思っていた。
と書いていて思った。今こそ、この闘茶を小説にすればいいんだ。図書館戦争みたいになるんじゃないだろうか。いや、読んだことないのでタイトルから想像して言ってみただけだけど。
最後にヴァン・ダインの二十則より
「事件の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。」
続いて、ノックスの十戒より
「探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない」
香道を嗜んでいただけでこの二つをカバーしたというのは、ちょっと無理があるんじゃないですかね、北村先生?