行けばわかるさ

母校で行われた小鷹信光氏の講演会「ダシール・ハメット谷譲次」を聞きに行く。ダシール・ハメット作品は読んだことがないもののとりあえず『赤い収穫』や『マルタの鷹』、コンチネンタル・オプにサム・スペードという言葉は聞いたことがある。ただ谷譲次に関しては何も知らなかった。話によると谷譲次には別に二つのペンネームがある。それが林不忘牧逸馬だ。三つのペンネームを使い分けてヒット作をたくさん発表したそうだがその中で講演タイトルにあるとおり谷譲次名義でハードボイルド関連のものを発表しているそうだ。そしてまた“ハードボイルドエッグ”という言葉を日本に紹介したのも谷譲次だろうと小鷹氏は言われていた。さて、講演の内容は谷譲次アメリカ留学時代の話とダシール・ハメットの人生、そしてもしかするとこの二人がどこかですれ違っていたかもしれないということだった。
それで講演会が中休みになる。再開後、いつもの通り質疑応答があった。後半は小鷹氏の著作で推理作家協会賞受賞作『私のハードボイルド』に関する話題が多かった。で、この作品について語る小鷹さんが非常に楽しそうだったのが印象的だった。その姿を見て自分の信じる道−例えマイナーで自分以外の誰も興味を持っていなかったとしても−その道を信じ進んでいけばいいんだなと思った。まぁ、もともとそういう人生を送ってるんだけどね。
ということで、おもしろい講演会でした。