『探偵は眠らない』

正直、表題作「探偵は眠らない」を読み終わったのが7月か8月でその後、短編ばかりなのをいいことに一作読んでは違う作品を読み、ということを繰り返していたので内容を忘れてしまった。ハードボイルドということで他の作品ほどミステリーとしてのおもしろみに関しては不満が残るがそれでも都筑道夫。おもしろかった。特にエッセー「彼らは殴り合あうだけではない」と「孤立のハードボイルド」はすばらしい。その影響もあって今、原籙『そして夜は甦る』を読んでいる。いや、本当はチャンドラーかロスマクを読もうかと思ったのだがどちらも家にない。近いうちに買いに行こうかなと思っている。
話は『探偵は眠らない』に戻るのだがこの作品の最後に解題と題した某氏の文章が載っている。この人、肩書きはミステリー評論家で他の本でも時々、目にする。『退職刑事』2の解説だかなんだかも同じ人だった。
はっきりいって、文章がヘタ。解説も解題もできていない。これで本当にミステリー評論家なのか、と思ってしまう。もし、この人の書く文章が解説だとするなら、またミステリー評論家としてまっとうなものだとするなら、評論というのは何かを評価し論じるのではなく私はこの件についてこんなことを知っていて、あんなことも知っていてこんなことまで知っていますよと自慢するものだということになる。少なくとも僕はそうは思わない。あと、文章を()で補いすぎ。出版年月日とかそういう、読み飛ばしていいものは補ってもいいかもしれないがそれ以外はうまく本文中に挿入してかくのがプロだろ。こういう人はミステリー愛好者とかミステリーマニアとかいう肩書きにしないといつまでたってもミステリーというものが認められることはないと思う。いや、別に認められても認められなくってもただの読者である僕にとってはどうでもいい話なんだが。
なんか今日は文句ばっかり言ってる気がする。

探偵は眠らない (光文社文庫―都筑道夫コレクション)

探偵は眠らない (光文社文庫―都筑道夫コレクション)