掏摸

新聞の書評で興味を持ち、本屋で適当に購入したのが中村文則著『掏摸』だ。
某所でも書いたけど、主人公が掏摸で、他にも悪い奴がいっぱい出てきて、反社会的なことをするんだけど、ピカレスク小説っぽくはない。かと言って、ハードボイルド風でもない。
カテゴライズなんて、どうでもいいことなんだけど、なかなかに不思議な小説だった。読みやすくテンポも良かった。何より、各章が短いのがいい。この章が終わったら寝よう、なんて思いながら読んでいて、いつまでたっても終わらない。ページを捲って確認すると、まだ10数ページある。読むのが遅い人間としては、これがなかなか大変。
兄妹編の『王国』という作品があるそうで、こっちはどうするか未定。なぜなら、2週間ほどで予約した『怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関』が来る予定だから。それまでに、途中で返却した『マルタの鷹』にもう一度、挑戦しようかな。

掏摸 (河出文庫)

掏摸 (河出文庫)