ユメオチル、アリス

鮎川歩先生の新シリーズ第1弾。ストーリーは不遇な現実から逃れるために、夢で修行して、なんでもできる力を手に入れると感じ。
主人公は毎度の鮎川節で、ネガティブなんだけど、可愛い幼馴染がいたり、人気者の友人がいたりと、恵まれていないとは言い切れない。両親が亡くなっていて、唯一の身内である姉に捨てられたと言う過去がなければ、きっと楽しい高校生活を送っていたことでしょう。まぁ、それじゃあ、物語として成り立たないんですが。
完全明晰夢を手に入れることと、現実とをどう絡めていき、最後の敵を倒すところまで持っていくのか。そのあたりに興味があったんだけど、そう来ましたかって感じで、ベタではあるけど、一捻りあり、流石、鮎川先生って所です。
いくつか、エロ要素があったんだけど、ちょっと違和感というか、無理やり組み込んだ感があって、やるならもっとエロが強くてもよかったのかなという気もしないでもない。
完全明晰夢の世界を諦めて、現実に生きるとなることは、予想はついたんだけど、じゃあそれを次作以降にどうつなげるのかってのが、楽しみなところだったんですが、叔父と姉の話を中心に据えれば、3、4作はいけるんじゃないでしょうか。夢世界の事象が現実世界に干渉して、地球が滅びるようなことになれば、長期シリーズになったりしないだろうか。
面白かったです。新作期待しております。

ユメオチル、アリス (ガガガ文庫)

ユメオチル、アリス (ガガガ文庫)