両輪

某所で本格ミステリ大賞が発表されたと知り、結果を見に行く。小説部門は三津田信三著『水魑の如き沈むもの』と歌野晶午著『密室殺人ゲーム2.0』だそうです。まぁ、こっちはいい。最終候補作品、過去の分も込みにして特に問題はないと思う。問題があるの評論・研究部門の方だ。
評論ってのは作品の対極にあり、両者は車の両輪のようなものだ、と言っていたのは誰だっただろうか。誰だったか思い出せないがまさにその通りだと思う。作品があり、それを評価する評論があり、そのジャンルは発展していく。良質な作品には良質な評論があり、また良質な評論が良質な作品を生み出す。ということで、本格ミステリ大賞の評論・研究部門を見てみるとどうもぱっとしない。評論と呼べるようなものはほとんど無いんじゃないだろうか。原因として考えられるのは、作家兼評論家ってのが多いせいじゃないかと思う。
とにかくこの先の日本ミステリーが発展して行くには評論側が頑張らないといけないんじゃないかな。逆に言えば、ここ数年のミステリーの停滞は評論側にも責任があるんじゃないかなと思う。
そんな感じです。