『クイックセーブ&ロード』

どうも、覚え間違えたみたいで、『クイックロード&セーブ』と書きそうになる。以下、未読の方は読まない方がいいです。
HMCの仲間、イムさんのデビュー作。まず、分量がすごい。原稿用紙換算で300枚以上だろうな、きっと。
さて、読後の感想だが、おもしろかった。以前にも書いたかと思うが、完全無欠のハッピーエンドよりは、バッドエンドの方が、好みだ。この作品でいうなら、もう一度、14年間をやり直して、例えば由衣が入試に失敗しないようにするとか、父親の事故死を阻止するとかで、完全なハッピーエンドに導くことはできる。しかし、敢えてそうしなかったのがこの作品のいいところ。もう一点、秀逸だなと思ったのは、セーブデータが一個しかないところかな。
何でも自由にやりたい放題だけど、セーブデータが一個しかないというのは、結構、やっかい。で、このやっかいさを生かす、ためにプロットを構築したんじゃないかと思う。別の言い方をすると、人生でセーブ機能が使えるけど、データの空きは一個しかないという発想がまずあり、そこからプロットを組み立てたんじゃないかと思う。まぁ、自分ならそうするってだけの話ですが。
ということで、思いつきの感想でした。

クイックセーブ&ロード (ガガガ文庫)

クイックセーブ&ロード (ガガガ文庫)