怪談

怪談話がけっこう好きで、テレビなどで特集をしていると必ず見る。それで、ネットでも探してみて、いくつか読んだ。その結果、最後に綺麗なオチがある話しほど、恐くないということがわかった。何というか、リドルストーリーのように、読後、読み手(聞き手)がどうなったのかを想像する余地がある話しの方が恐い。ということで、とっておきの怪談話をひとつ。
これは、知人に聞いた話で、知人の知り合いが実際に経験したことだそうです。
京都にあるKトンネル。ここは心霊スポットとして有名なトンネルである。ある夏の夜、男二人がこのKトンネルのあたりを車で走っていた。その時、車の窓を開けていたのだが、急に寒くなってきた。そこで、窓を閉めると、助手席の方はすんなりと閉まった。しかし運転席の窓は、途中でとまり、それ以上、閉まらない。故障かと思い、何度か試すが、どうしても閉まらない。そうしていると、後ろから一台の車がちかずいてきた。そして、その車は盛んにパッシングしてくる。揉め事がおこるのも嫌なので、いったん車を止め、後ろの車を先に行かせようとする。しかし、後ろの車は先に行かず、同じように止まっている。
しかたがなく、再び走り出すとやはり車はついてくる。そして、再びパッシングを繰り返す。いいかげん、腹も立ったので、文句を言おうと思い、車を止める。するとやはり、後ろの車も止まる。外に出て、後ろの車に近づくと、向こうからも人が降りてきて、慌てた様子でこちらに近づいてくる。前まで来ると、その人は「お兄ちゃん、大丈夫か」と言った。そのただならぬ雰囲気に押され、文句を言うのも忘れ、「大丈夫ってなにがですか?」と聞き返した。
すると「赤い着物を着た女の人が運転席の窓から中に入ろうとしてたんや。それを知らせようと思ってパッシングしててん」
その人達は、そこに車をおいたまま、後ろの車に乗せて貰って帰ったそうです。