さて

某スポーツ新聞の映画紹介コーナー。そこに「隠れざる人間性に焦点を当てた」という一文があった。「隠れざる」ってどういう意味だろうか?
検索してみたところどうも「隠れざる」という言葉はないようだ。となると「隠れ」と「ざる」にわけられる、はず。さて「隠れ」というのはもちろん文字通りの意味。それで「ざる」なんだけどこれは打ち消しを表す言葉だと思う。何らかの行為を否定する言葉だ。じゃあどういったときに使うかと考えたときまず思い浮かぶのが「見ざる、言わざる、聞かざる」だ。この場合、純粋に「見る、言う、聞く」という行為を否定していると考えていいだろう。ということは「隠れざる」という言葉は「隠れる事はない」あるいは「隠れない」という意味になる。ということは「隠れざる人間性」というのは「隠されていない人間性」という意味になるんじゃないだろうか。とまり表に出ている人間性ということだ。これは、文章を読んだ限りでは、書いた人の意図しているものと真逆の意味じゃないだろうか。書いた人は「隠された人間性」といいたかったんだと思う。というか隠れざるなんて言葉はない。なぜなら隠れの終止形は「隠れる」であろう。そして「隠れる」だと「隠れざる」じゃなく「隠れず」というのが正しいんじゃないかと思う。どうしても「ざる」を使うなら「隠さざる」とすべきか。
最初に書いたとおり、これは新聞で見つけたわけでだから書いたのは、記者にしろライターにしろ、プロだ。別にプロだから間違えるな、というつもりはない。プロ野球選手でもエラーはする。でもこういうのは感覚的におかしいと思わないのだろうか。いや、最初書いた時点では気づかないということもあるだろう。でも読み直せば「何か変」と思うはずなんだけどな。
とまぁ、そんなことで「隠れざる」という言葉は実はこういう意味だというのをご存じの方がおられましたら、お教えください。
なお、眠い中、書いたのでぐだぐだですいません。