完全犯罪

数年前から某乱歩賞は推理小説よりも"一般人の知らない世界を舞台にした"ミステリーが受賞する傾向が強い。今読んでいる『チーム・バチスタの栄光』もそういった類の作品。まぁ、感想は読み終わってから書けばいいか。しかしこのミス大賞も所詮はミステリー、か。
さて、そんなことはどうでもよくって出張から帰る新幹線でふと考えた。ちなみに今日は行きも帰りもN700系。完全犯罪という言葉がある。でもこの言葉、使い方が間違っていると常々、思っていた。
完全犯罪というと、犯罪を−まぁ、殺人の場合が多いかな推理小説では−行ったが自分が犯人だとわからないようにいろいろと工作してそれが成功した状況を指す。でも殺人という状況は露見しているわけだ。つまり誰だかわからないけど犯人がいるということは知られている。じれじゃ、やっぱり不完全犯罪だろう。本当の完全犯罪は犯罪を行ったということさえも露見しない。これこそが本当の意味での完全犯罪だろう。犯罪行為が露見しなければ犯人として疑われることもない。
ということはだ、すでにどこかで本当の完全犯罪は成立しているのかもしれない。だって露見しないんだから知りようがないもの。