新顎十郎捕物帳

久生十蘭が作り出したキャラクターを都筑道夫が引き継いだのがこの作品。久生十蘭の方は読んだことがないのでどんな感じなのかわからない。ただネットの青空文庫−だっけ?−で近日公開になっていたので公開されたら読もうかと思う。
で、この作品。さすが都筑先生、と唸る作品ばかりだった。ごく当たり前なことなんだが不可解でそして魅力的な冒頭の謎。中盤の推理。そして終盤の意外性。これがおもしろい短編の条件だ。この作品はそれらを持っている。そして最大の魅力はなんと言っても仙波阿古十郎だろう。誰にも負けない推理力を持ち数々の難事件を解決しているのに出世欲はなく手柄は人に譲る。それでいて誰にも負けない剣の達人。でも普段は大名屋敷の中間部屋でごろごろして奉行所にも顔を出さない。
・・・理想的な生き方だな〜。
これで今年発売された本、二冊目読了。もう一冊、読めるかな。