『そして夜は甦る』

こつこつ読んでいたのだがやっと読了。さてこの作品、原籙氏のデビュー作とか。どおりであまり文章がうまくないなと思える点がいくつかあった。しかし読んでいる間中、ずっとおもしろく楽しかった。なぜそのように感じたのかわからないんだがとにかく、こんなに楽しい読書は久しぶりだ。いや、もちろんこの作品の魅力もあるんだろうがそれだけではない。なのでその原因を究明するために『私が殺した少女』を手元に持ってきた。
さて、この作品は所謂、ハードボイルド小説なんだが5000万と1億のところなんかはミステリーとして十分通用する。もちろん本格推理小説と比べればトリックや謎解き部分に関してはいささか不満も残るがしかしだからこそ、この作品がおもしろいんじゃないかと思う。海外物のハードボイルド作品は読んだことがないのでこれを機にちょっと読んでみようかとも思う。とにかく、おもしろかった。それもこれも都筑さんの『探偵は眠らない』を読んだおかげだ。いや、この両作品の間には何の関係もないんだがハードボイルドつながりで読んでみた。このままおそらく年末年始は原籙作品を読んで過ごすだろう。楽しみだ。

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))