創作

殊能将之著『キマイラの新しい城』を読んだときのこと。読んでいて楽しかった。で、なんで楽しいんだろうかと考えた。実際にはどうだか知らないがたぶん作者の殊能氏が楽しんで書いていたからだと思う。いや、根拠はない。ないんだが文章から殊能氏が楽しんでいるというのがにじみ出ている。そうなると読み手も楽しくなる。やっぱりこれが創作の基本じゃないかとふと思った。自分が書いた文章に「自信がない」と思うことはある。しかしその作品が本当におもしろくないもの、自信がないものなら書いている途中で投げ出すんじゃないだろうか?曲がりなりにも完成しているということはやはり書き手にとってその作品が楽しいものなんじゃないかと思う。
ネタがうかばない時は苦しい。苦しいがそれも振り返ると楽しいし、やっと浮かんだネタで実際に創作しているときは楽しくてしょうがない。トリックの伏線を書く時なんて意味もなくドキドキする。自信のない作品は−公開、非公開に関係なく−いっぱい書いてきたと思う。でもどれも書いていて楽しかったのは事実だ。
てなことを考えたここ2、3日。考えるきっかけになった彬さんアキトさんありがとうございました。