一人称

ここしばらく一人称で小説を書いている。で、過去に何作か書いたけど三人称の作品てあっただろうか、と考えるとあまり思い出せない。ないことはないが、個人的には一人称が好きみたい。最近は探偵役の一人称にこだわってる。
それで、ちょっと気になっていることが。

 テーブルの上のタバコを手に取り、一本抜き取ると火をつける。しかし、いったいどうしたというんだろうか。こんな事、今までになかった。二口しか吸っていないタバコを灰皿でもみ消すと、立ち上がった。

さて、上の一文。今、思いつくままに書いたんだけど一人称の地の文だ。でも、これってどうなんだろう?
上の文で言うと、“テーブルの上のタバコを手に取り、一本抜き取ると火をつける。”と“二口しか吸っていないタバコを灰皿でもみ消すと、立ち上がった。”は状況説明だ。でも“しかし、いったいどうしたというんだろうか。こんな事、今までになかった。”は心情、あるいは心の中での声だ。一人称地の文にこの二つが混在してもいいのだろうか。より正確を期するなら心の中の声部分は『』でくくるべきじゃないだろうか。しかし、それはそれでまぁ、色々と問題があるわけで。というか、なかなかちゃんとした一人称には出会えない。そういえば以前、講演会で法月さんが一人称に触れられていたな。確か「私は天使のように微笑んだ」という文章の場合、私には私の天使の微笑みは鏡を通してしか見ることができないので表現としておかしい、というような話だったような気がする。違ったかな?
まぁ、いいや。どっちにしてもしばらく一人称で行く予定なので早く自分のスタイルを見つけないとな。