評論

少し前に探偵小説研究会のブログで千野氏が「評論のこと」(だったと思う)というタイトルの文章を書かれていた。で、それに関連したものを円堂氏が書かれていた。その他、笠井さんの評論だとか法月さんのとか、時には二階堂さんの本格愛だとかを読んで、いつも思うことがある。評論家と呼ばれる人の書く文章って、どうも読者をほったらかしにしている気がする。このあたりのことはまだ漠然と考えているだけで、これから先、機会があれば文章化していきたいなと思ってるんだけど、一つ書いておくと、我々一般読者は、日々の労働により得た尊いお金で本を買う。でも、評論家の人って、全部が全部じゃないけど、無料で本をもらえるわけだ。そして、その本について何か書くとさらに収入が増える。この辺のズレが評論に対して常に何か違和感を感じる原因なんじゃないかと思う。
どこかで誰かが書いていたんだけど、評論てのは実作と両輪で片一方が欠けると車は走ることができない。なので絶対に必要なものなんだけど、日本のミステリーの場合、片一方の車輪だけやたらと大きくてもう一方が小さい。だからなかなかまっすぐ走れないんじゃないかな。漠然とそんなことを思う。