模倣の殺意

2012年に購入。確か東京に出張していて、泊まったホテルの下か近くに書店があったのでふらっと入って購入したんじゃなかったかな。その後、すっかりこの本のことを忘れていた。
一言で言えば古き良き本格推理小説だ。それもそのはずで、一番最初に本作が出たのが1973年。僕が読んだのは創元推理文庫版で、あとがきにこの作品が幾度も改稿されている経緯が書かれている。ただしあとがきでは作品の真相に触れているので、本編を読まないと読むことができない。
今41のおっさんだが、小学生や中学生の頃にワクワクしながら見た映画を今見ると、きっと映像面で「あれ?」と思うだろう。CGや合成に毒されてしまっているのでしかたがない。それでも、昔の作品の面白さまでもが損なわれるわけではない。面白いものは面白い。時代を超えて、たとえ技術が進歩しても決して見劣りすることのない作品を名作と呼ぶのだろう。そうであれば『模倣の殺意』は紛れもなく名作だと思う。

模倣の殺意 (創元推理文庫)

模倣の殺意 (創元推理文庫)