『乱鴉の島』

なんだかんだで、書きそびれしまった。なかなか面白かったです。ただ、ちょっと思うところがありますので以下に記します。ネタバレです。
本格推理小説としてなかなか。近年の有栖川作品、特に火村シリーズとしてはいい方に分類されるんじゃないかな、と思う。伏線や謎解きも、まぁ、悪くない。孤島に集まっていた理由は、まぁ、いいとしておこう。ただし、ひとつひっかかることがある。それは動機だ。この作品の場合、たまたま、社長がヘリで来たから殺人が起こったとなっている。でも、これってあんまりじゃないか? 挑戦状が挿入されているタイプの作品の場合、動機は不問ってな事が書かれている事もある。でも、これは動機の有無で犯人を絞り込めないようにするためのものであって、やっぱりある程度、しっかりした動機は必要だと思う。
まぁ、たまたまってのさえ抜けばそれなりにしっかりした動機なんだけど、それでもあまりにも都合よすぎるんだよな〜。作品として、悪くないからこそ、この辺を何とかして欲しいと思うのは僕だけだろうか?

乱鴉の島 (講談社ノベルス)

乱鴉の島 (講談社ノベルス)